楽天証券株式会社 プロフェッショナルインタビュー

楽天グループの力で日本の証券業界を変える。【楽天証券株式会社】

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楽天証券株式会社

執行役員 コーポレート本部長 兼 経営企画部長 由井 秀和 氏

■ プロフィール
都市銀行、外資系証券会社、事業会社の財務部を経て、楽天証券へ入社。現在執行役員としてコーポレート本部で経営企画、海外事業推進、フィンテック推進や、人事総務、財務経理を担当している。

1999年、日本版金融ビッグバンの年に誕生のルーツを持つ楽天証券株式会社。個人の株取引の9割がインターネット証券(以下、ネット証券)経由と言われる現在、その最有力プレーヤーのひとつとして業界を牽引している同社が考える日本人の資産形成の未来、そして楽天グループの証券会社としての戦略と展望についてキーマンに聞いてみた。
 

1. 個人の資産形成をサポート

― 楽天証券とはどのような証券会社なのでしょうか?

由井氏:
証券会社というのは、個人や企業が有している余裕のあるお金を、より必要としている企業へ仲介、橋渡ししていくというのが主な仕事です。金融というと銀行を思い浮かべる人も多いと思いますが、銀行は集めてきたお金の投資先を銀行が決めるのに対して、証券会社は個人や企業が自ら直接投資先を決めるので、銀行が間接金融と呼ばれるのに対して直接金融と呼ばれています。

楽天証券は企業ではなく、個人の方の投資をお手伝いしている会社です。
 

2. 個人の9割はネット証券

― 楽天証券の成長機会はどのようなところにありますか?
由井氏:
個人の株取引の9割はネット証券経由です。現在の株式取引は高速で膨大なのに加え、手数料も安いこともあり個人投資家はほとんどネット証券を利用しています。

また日本の個人家計資産において、半数以上は現金・預金や保険が占めており、投資性の商品の占める割合は現在20%弱ですが、この割合が高まっていくと考えられています。預金金利が限りなくゼロに近く、年金も将来的には減額されていく方向にある今、一人ひとりが自分の資産を自分で作って生活を豊かにしていかなければいけない時代になってきているからです。

その資産形成の受け皿としての証券会社の役割は高まってきています。
 

3. 採用から入社後の流れ

― 新卒の採用活動についてお聞かせ頂けますか。
由井氏:
会社説明会を通じてご興味を持って頂いた学生にエントリーして頂きます。その後通常3回程度の面接で採用に至ります。

― 内定後の流れについて教えてください。
由井氏:
証券会社で業務を行うためには証券外務員の資格が必要となりますので、入社前から勉強会などの学習機会も提供しています。

入社後はビジネスマナーやロジカルシンキングなど、社会人としての基礎を学ぶ新人研修があります。その後、約1年の期間、カスタマーサービス部門での研修を実施します。楽天証券のサービスは個人のお客様を対象としています。カスタマーサービス部門で実際にお客様からのお電話の受電やメール対応を経験いただくことで、お客様のニーズを知り、お客様が楽天証券に求めることを肌で感じてもらうことを目的としています。この経験を通して、証券の基礎知識を習得して頂くと同時に、お客様目線を培って頂きます。
 

4. 高まるビッグデータ解析/AIの重要性

― 楽天証券の業務の中で、理系出身者はどのような役割を果たすことができると思いますか?
由井氏:
今、証券会社における理系の役割は高まってきています。たとえば株式市場では毎秒何万件もの売買取引が行われるのですが、リアルタイムに膨大な取引を司るシステムを構築するというのはとても大きく重要な仕事です。

また証券に限らず大きな流れとして、ビッグデータ分析に基づいたアウトプットがより求められる時代になってきています。証券会社においても企業情報、マーケット情報、そしてお客様自身のリスク許容度に応じて、最適な投資を提案する時代になってきています。ビッグデータやAIなど最先端のテクノロジーを駆使して、お客様に最適な投資を提案する仕組みを構築していくことは、証券業界においても重要視されています。
 

5.  金融ビジネスをインターネットの無限の可能性で広める

― テクノロジーを利用した投資の提案の例を教えてください。
由井氏:
たとえば楽天トラベルを利用して海外へよく旅行に行かれるお客様に対して、株主優待券の航空券がついている航空会社の株を提案していくということもできるようになります。

現在楽天グループには9,000万人を越える会員がいます。FinTechが進化し、できることが多くなればなるほど、その膨大な顧客基盤を持った楽天グループというバックグラウンドの意味がますます大きくなっていくでしょう。

― 顧客基盤の活用の他に楽天グループ全体で行っている取り組みはありますか?
由井氏:
はい。FinTechの活用方法については、楽天グループ全体での共同研究も行っています。ビッグデータの解析基盤、活用、手法はグループ全体で共有して行っています。楽天証券に入社すると、楽天グループの顧客基盤を広く活用できるため、「金融ビジネスをインターネットの無限の可能性で広めていきたい」という強い志のある学生にとっては、とても大きな可能性が開けています。
 

6. 証券を「普通のもの」に

― 楽天証券の成長ビジョンについて聞かせてください。

由井氏:
楽天証券では現在230万を超えるお客様の証券口座(2017年9月末現在)があります。それを500万、1,000万にも増やしたいと思っています。

証券はまだまだ使っている用語も含めて「難しいもの」というイメージがあります。投資へのハードルを下げることで、投資を楽天市場で買い物をするのと同じくらい普通で気軽なものにしたいと思っています。

身近なところで言いますと、お客様が最初に触れる我々のサイトやコンテンツにおいて、見やすさや分かりやすさ、心地よさを追求したUI/UXを実現すべく、他の楽天グループのサービスサイトとの融合を図っています。もともと楽天に籍を置く社員を楽天証券社内に招いて、顔を付き合わせながら仕事をすることで、普通の人でも使いやすいUI/UXの開発を実現しています。向こう3−5年は、いかに証券ビジネスを「普通」のものにしていけるかがポイントになっていくと思います。

このような融合が進んでいますので、楽天証券に入社して頂きますと証券に限らず楽天グループの最先端のテクノロジーに対する知見を吸収して頂けるので、学生にとってもとても大きな成長機会があると思います。
 

7. 大きな夢と熱い思いを持って!

― 最後に就活中の学生に何かメッセージはありますか?
由井氏:
楽天証券が考えているのは、単に今の楽天証券のサービスを大きくしようということだけではありません。証券業界を変えることによって社会全体の仕組みを変えたいという思いで取り組んでいます。

個人の資産形成がこれからますます重要になってくる中、証券を特別なものではなく普通のユニバーサルなサービスにしたいと思っています。

就職するにあたって、まだ何がやりたいか明確になっていない方もいると思いますが、まだ何者にもなれる自由な時期です。大きなことを夢見てください。

そのような熱い思いを持っている人が魅力的だと思いますし、入社後も楽しく仕事ができると思います。

是非大きく夢を持って、何にトライしていきたいのかによく想いを巡らせてください。
(了)
 

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