【金融業界】今、金融業界にIT人材が求められている理由(銀行編)

 

はじめに

「金融業界は文系の人が活躍する場所だから…」と思っている理系学生の方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実際には逆で今まさに金融業界では理系出身のIT人材が必要なんです。
金融業界に限らずあらゆる分野で課題になっているDX。金融業界も例外ではありません。
今回は「銀行編」ということで日本を代表する3つの銀行(三菱UFJ銀行・三井住友銀行・みずほ銀行)を例にIT人材の必要性について言及していきます。

 

3行の中期経営計画

まずは3行の中期経営計画を見ていきます。
中期経営計画を見るとその会社が今後どこに力を入れて取り組んでいくのかが分かります。

三菱UFJ銀行

三菱UFJフィナンシャル・グループは3年後のめざす姿を「金融とデジタルの力で未来を切り拓くNo.1ビジネスパートナー」としています。
さらに、経営方針の3つのキーワードは「デジタルトランスフォーメーション」「強靭性」「エンゲージメント」です。
3行の中でもデジタル分野に一番力を入れている印象で、中期経営計画を見てもハッキリと今後はDXに力を入れていくという姿勢がうかがえます。
ますますIT人材が必要になっていくことも予想できます。

三井住友銀行

三井住友フィナンシャル・グループの事業戦略の2つのキーワードは「Transformation:既存ビジネスのモデル改革」「Growth:新たなビジネス領域への挑戦」です。
Transformationの具体例では「デジタル化の推進」、Growthの具体例では「デジタル技術やデータの利活用を通じた新たなソリューションビジネスの展開」が挙げられています。
また、この中期経営計画でのIT投資額の5,000億円という数字は、前中計の4,400億円から600億円も増額しています。
今後もIT分野への投資は増えていくことも予想できます。

みずほ銀行

みずほフィナンシャルグループの基本戦略でのキーワードは「これまで培った強みを最大限に発揮」「デジタライゼーションへの取り組みや、外部との積極的な協働を加速」とあります。
2019年時点の5カ年経営計画のスタートの時点でデジタル化を積極的に行っていこうとする姿勢が見えます。
社会全体としてはデジタル化が急速に進むきっかけになったのはコロナの影響が大きいですが、みずほFGの5ヵ年経営計画はコロナ前に作られたもののため、他行と比較すると少しデジタルに関しての言及は少ないように感じます。
おそらく2024年からの経営計画にはよりDXに関しての記載が多くなると考えられます。

3行の募集職種

次に、具体的な募集職種を見ていきます。参考にするのは2023年卒向けの新卒採用の募集です。

三菱UFJ銀行

募集職種は「総合職」6コースと「ビジネス・スペシャリスト職」2コースの合計8つです。
「総合職」はオープン、グローバル、ファイナンシャル・テクノロジー、戦略財務会計、システム・デジタル、ウェルスマネジメントの6コースです。
「ビジネス・スペシャリスト職」は通常のコースとインターナショナルコースの2コースあります。
もちろん理系からでもどんな職種にもチャレンジ可能ですが、ファイナンシャル・テクノロジーやシステム・デジタルのコースでは特に大学で磨いた専門性を活かすことができます。

三井住友銀行

募集職種は4つです。
1つ目が「総合職」です。もちろん毎年多くの理系学生が総合職でも入行しています。
2つ目が「総合職(クオンツコース)」です。クオンツには高度な数学的理解が求められるのでまさに理系が活躍できるフィールドです。
3つ目が「総合職(デジタライゼーションコース)」です。文字通りデジタルを推進していくためのIT人材枠です。
4つ目は「総合職(リテールコース)」で個人のお客さま向けの業務を担当するコースです。
他行と違って職種が少ない中でわざわざクオンツコースやデジタライゼーションを別枠で採用しているのはDXへの姿勢の表れともとれます。

みずほ銀行

みずほはグループ合同採用をしていて、募集職種は8つです。まず大きく分けて「オープン型」と「キャリア特定型」の2種類があります。
「オープン型」はオープンコース1つで、他行の総合職にあたるものです。
「キャリア特定型」はカスタマーリレーションコース、グローバルコーポレートファイナンスコース、グローバルマーケッツ&アセットマネジメントコース、クオンツ・デジタルテクノロジーコース、プランニング・オペレーションコース、不動産ソリューションコース、年金アクチュアリーコースの7つです。
様々なコースがある中でも、クオンツ・デジタルテクノロジーコース、プランニング・オペレーションコース、年金アクチュアリーコースは特に理系の方が活躍できるコースです。

 

3行の行風の違い

つぎに実際に実際に選考を受けたことがある学生からの話しと、企業の口コミサイト『OpenWork』の情報をもとに3行の行風の違いについて解説していきます。

三菱UFJ銀行

グループでの時価総額がトップの銀行として、真面目で優秀な方が多い印象です。
よく言われる「エリート」という言葉がよく似合い、卒なく業務をこなす方が多いようです。
知的でクールな方と働きたい方は三菱UFJ銀行が合うかと思われます。

三井住友銀行

「体育会系」と言われる通り、面倒見が良くて明るい方が多い印象です。
グループ全体でも新しいことにチャレンジする社風が強く、楽しそうに働いている方が多いです。
若手から活躍して仕事に熱量を注いでいきたい方はぜひ選考を受けてみてください。

みずほ銀行

「穏やか」と言われる通り、優しくて冷静な方が多い印象です。
合併の歴史もあって多様性がある中でも、他人に気遣いができる優しい方が多いです。
内には情熱を秘めつつ、穏やかで優しい方と働きたい方はみずほ銀行が向いているかもしれません。

 

最後に

今回はIT人材と銀行業界ということで、メガバンク3行で理系学生が活躍できる理由について取り上げてきました。
もちろん入行するのは簡単ではありませんが、変わりつつある銀行業界には理系の方が活躍できる場がたくさんあります。
これを機に金融業界も視野に入れて就職活動をしてみてください。

次回以降はまた別の業界について、理系の方でも活躍できるフィールドがあるのかについて探っていきます。
今回は金曜業界と理系人材についてお話させていただきました。
関心をもってチャレンジしてくれる学生の方がいてくれたら嬉しいです。

 

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2022/08/10