企業選びについて

 

はじめに

皆さんは「企業選び」をどのようにして行いますか?おそらく自己分析や業界研究によって進めていく方が多いかと思います。
また、「企業の規模や分類」によって、企業選びをされる方も多いと思います。
今回は、企業規模別のメリット・デメリットなどをお伝えできればと思います。

 

分類について

①大企業

まず会社は大企業と中小企業に分類することができます。
明確な定義はありませんが、会社法に「資本金5億円以上または負債総額200億円以上の株式会社を大会社とする」と記載されています。
簡単にいえば業界の中で規模や知名度・シェア率において上位に入る企業のことを指し、就活生に人気があります。
しかし国内における大企業の割合は、約0.3%と非常に少ない割合です。
国内にある企業の総数は421万社なので、大企業数は約0.3%で、およそ1.2万社ほどになります。

《《 メリット 》》

高収入が見込める
事業規模が大きく利益を多く出している大企業では、中小企業に比べて収入が高い傾向があります。
これは大企業志望に根強い人気がある大きな理由のひとつであり、「大企業=安定している」というイメージを多くの人がもっているようです。
しかし社会構造の変化などによって変わり続ける社会においては、安定が崩れる可能性も否定できないことを覚えておく必要があります。

福利厚生が充実している
福利厚生は大きく分類すると「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」があります。
前者は法律で義務付けられているもので、主に社会保険料の負担です。
後者は企業が自由に選定・導入できるもので、法的な義務はありません。
家賃補助や健康診断費用の補助などその種類は多様です。
知名度が高く常に社会的に注目されている大企業では、福利厚生が充実している傾向があります。
福利厚生は生産性を向上させるだけでなく、企業のイメージアップに繋がるため充実化を図っていると考えられています。

社会的信用が得られる
大企業は以前として社会的地位が高いといえます。
価値観は変わってきていますが、「大企業に務めている人は優秀である」という見方は未だに根強いです。
この風潮からローン審査が通りやすかったり、職務経歴として高評価され転職活動に有利にはたらくケースもあります。

《《 デメリット 》》

経営陣との距離が遠い
従業員数が多いことから、経営陣との距離はどうしても遠くなってしまいがちです。
会社を変革したいと思っても、上層部への意思伝達を行うのに時間がかかるためスムーズにいかない可能性があります。
また会社自体が保守的な考え方をしている場合もあるので、新しいことに挑戦したい人には向いていないかもしれません。

出世しづらい・社内間競争が激しい
大企業では出世のハードルが非常に高いという特徴があります。
年功序列精度を採用しているところもあり、成果を出しても年齢が若ければ出世できないこともあります。
そうでなくても、多くの従業員を抱えた大企業では、少ない管理職の枠を競争率の高い選考をくぐり抜けて入社した優秀な人々同士で争うことになるので社内競争が激しくなりやすいです

転勤が多い
全国に店舗や支店・営業所などが点在しており商圏が広いため、転勤や出張などはやはり中小企業に比べると多くなります。
場合によっては海外に行くこともあるかも知れません。
そのスパンは企業によって異なりますが、環境をあまり変えたくない人にとってはあまり適していないでしょう。

②中小企業

日本企業の99.7%を占める中小企業は業種によって定義が異なりますが、大企業と比べて資本金や従業員数が少ないという特徴があります。

《《 メリット 》》

社員同士の距離が近い
比較的小さい組織のため、従業員同士のコミュニケーションがスムーズにできます。
また意思決定のスピードが早かったり、経営陣との距離が近いため社員ひとりの意見でも組織に反映されやすいというメリットがあります。

出世しやすい
中小企業では従業員数が少ないことで個人の成果が目に見えやすいことから、大企業より出世がしやすいといわれています。

転勤が少ない
中小企業は営業所や支店の数が大企業に比べて少ないので、転勤しなければいけない可能性は低いでしょう。
環境の適応に時間がかかる・慣れた場所に住み続けたいという希望がある人にとっては適した特徴です。

《《 デメリット 》》

業務量の割に大企業と比べて給与が低い
企業規模や収益構造の違いから、どうしても中小企業の方が給与が低くなる傾向があります。
しかし従業員数が少なければ一人あたりの業務量が多くなるので、激務である場合もあり「割に合わない」と感じることもあるかも知れません。
しかし中小企業でも出世を経て高収入を得ている人もいるので、必ずしも当てはまる特徴ではありません。
成功報酬型の企業もあり、働く人次第では大企業に劣らない給与を得られることもあります。

ネームバリューが小さい
会社の知名度が低いため社会的立場は低くなるのがデメリットです。
しかし将来性のある企業であれば、今後上場して大企業と肩を並べられる可能性も秘めています。

安定性に不安がある
もちろん大企業であっても倒産・リストラの可能性は十分にありますし、「大企業だから安定」という考え方は古くなってきています。
しかし中小企業は世の中の動きに左右されやすく、実際に新型コロナウイルスによって事業を続けられなくなった会社の多くが中小企業でした。
先の読めない世の中で安定性を求める人にとっては不安材料になるかもしれません。

③ベンチャー企業

最近耳にする機会が増えている「ベンチャー企業」は、企業の規模に関わらず独自のアイデアや技術をもとにして、新しいサービスやビジネスを展開する企業のことを指します。
上記で説明した大企業・中小企業は会社の規模によって企業を分類する際に使われますが、ベンチャー企業であるかが規模の大きさによって決まることはありません。
新たなサービスやビジネスを提供しているかが条件になります。
しかしその多くが小規模から中規模なので、「中小企業のベンチャー企業」は多く存在するのが事実です。

《《 メリット・デメリット 》》

小規模から中規模な企業であることが多いため、中小企業におけるメリット・デメリットと共通している部分が多いです。
しかし「今までにないビジネスに関わることができる」というのが特徴的で、新たな価値創造に取り組みたい人に向いているといえます。

④スタートアップ企業

企業形態を言葉を指す言葉ではありませんが、新たなビジネスモデルを開発する企業で創業から2~3年程度の企業を指すことが多いです。
ただ新しい企業であるというだけでは当てはまらず、イノベーションの観点をもっている・または社会貢献を目的としているという条件があります

■ベンチャー企業との違い

・ベンチャー企業
中・長期的に安定した収益を得ることが目標としています。
既存のビジネスモデルをベースに収益性を高める工夫を施す・または規模の拡大をすることで売上の増大を目指します。

・スタートアップ企業
短期間での急激な成長を遂げるという目標達成に重きをおいています。
今までにないイノベーションを起こし新しいビジネスモデルを手探りで構築していく組織のことを指します。

 

最後に

以上から企業は様々な分類が可能であり、特徴やメリット・デメリットが異なることがわかります。
働き方やビジョンがそれぞれ異なるので、理解を深めつつ企業選びの基準のひとつとして考えてみてもよいでしょう。
企業研究は業界・業種について知るだけでなく、このように様々な視点から行うことが必要です。

 

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2022/08/10