SDGs・ESG・脱炭素 持続可能な企業の見極めポイント

はじめに
皆さんが就活で企業選びをしていく中で、「持続可能な」企業であるか否かが重視されるようになっていることと思います。
SDGs・ESG・脱炭素などの言葉を巷で耳にする機会も増えているのではないでしょうか。
しかし中には「なんちゃってSDGs」企業や取り組んでいるように見せかけているだけで中身が伴っていない企業もあります。
今回は見極めるためのポイントについてご紹介します。

用語の意味
SDGs
「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称であり、2015年9月の国連サミットで採択されたもので、国連加盟193か国が2016年から2030年の15年間で達成するために掲げた目標のことです。
貧困やジェンダー・教育・環境に関する17の目標に169個のターゲットが設定されています。
ESG
環境(E: Environment)、社会(S: Social)、ガバナンス(G: Governance)の略称です。企業が長期的に成長するためには、経営においてESGの3つの観点が必要だという考え方が世界中で広まっています。
SDGsと同様に注目が集まっています。
脱炭素
地球温暖化の原因となる温室効果ガスである二酸化炭素の排出量をゼロにしようという取り組みのことです。
脱炭素化は気候変動やエネルギー問題の解決に繋がるといわれています。
日本政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにするカーボンニュートラルを目指すことを宣言しており、多くの企業が実現に向けて取り組んでいる現状があります。
以上が持続可能な社会を目指すための主なキーワードです。

なぜ企業がこれらに取り組む必要があるのか
従来は投資の対象として企業が評価される際に、財務情報が主な判断基準とされていましたが、近年はESG要素も考慮されるようになったからです。
それは「今後長期的に安定し、成長が見込める企業であるのか」を判断するにあたって、「環境問題や人権問題等に取り組む企業であるのか」という視点が用いられるようになったことが背景にあります。
すなわち企業がこれらに取り組まなければ、ステークホルダー(企業のあらゆる利害関係者を指す言葉)から投資の対象としてみなされることがなくなってしまうのです。
そのため企業はHPにSDGs取組概要を掲載するなどの施策を実施しています。これは企業の社会的価値の向上を見込めるというメリットも併せ持っています。

現状-SDGsウォッシュとは-
SDGsウォッシュとは「SDGs」と英語「whitewash(ごまかす、うわべを取り繕う)」を組み合わせた造語で、SDGsへの取り組みを行っているように見えて、その実態が伴っていないビジネスを揶揄する言葉です。
社会でのSDGsにおける重要性が高まっているだけに、該当する企業は増加しているとみられています。
しかしこれらが明るみに出てしまった場合、企業側はステークホルダーの信頼を失うことは避けられません。
就活における企業選びの軸としてSDGsの取り組み度合いを考慮する場合、こういった現状があることに留意しておく必要があります。
見極めポイント
そんなSDGsウォッシュに加担している企業とそうでない企業を見分けるための指針があります。
抽象的で曖昧な言葉ばかりを使っていないか
見せかけのSDGs取り組み企業の特徴として、実施している施策についての説明が抽象的かつ曖昧である傾向にあります。
具体性がなく、何に貢献しているのかがわかりづらい場合は注意が必要です。
根拠や証拠が不十分でないか
施策を裏付けるための資料や数値の表示がなかったり、取り組み前後でどのくらい状況が改善されたのかが比較ができない場合は信憑性が低いといえるでしょう。
写真やイメージ画像だけが先行していないか
取組内容と関連性のない画像であったり、文章量に対する画像の使用量が多すぎる場合などは実益が伴っていない可能性が高いです。
見かけに騙されず、内容をしっかりと精査する必要があります。
SDGsレポートを開示しているかどうか
実際に取り組んでいる企業は「SDGsレポート」を開示している傾向があります。
これはESG指標が盛り込まれた統合報告書に続いて、2018年頃からSDGsに特化した内容を含んだ報告書として開示する企業が登場しました。
これを開示している企業の信頼度は比較的高いといってよいでしょう。そのため取り組みに関する実態を掴むための判断材料になります。
最後に
今や知らない人の方が少ないといっても過言ではない「SDGs・サステナビリティ」ですが、すべての企業が適切に取り組んでいるとは限らないことをご存知でしたか?
自分自身が理解を深めるとともに、適切な取り組みを行っている企業かどうか見極める力を身につけることが大切です。
【参考】
関連する情報を集約したサイトに、SDGsに積極的に取り組み企業の紹介などを紹介する「SDGsMEET」というサイトもあります。
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