研究室紹介

電力効率の悪いコンピュータに満足していますか?

2022/01/07

中島 康彦(なかしま やすひこ)
奈良先端科学技術大学院大学
先端科学技術研究科 教授
 
【経歴】
某コンピュータメーカー ⇒ 京都大学 ⇒ 奈良先端大 と移動しながら、主に計算機アーキテクチャをやってます。キーワードは、「グリーンIT,高信頼低電力プロセッサ,VLIW,ベクトル,多重再利用,曖昧再利用,自動メモ化,3値CAM,動的命令変換,エミュレーション,演算器アレイ,メニィアクセラレータ,メニィコア,コヒーレントキャッシュ,自己修復/自己安定回路,高速並列シミュレータ,商用プロセッサ,大規模FPGA,実LSI試作環境

研究内容

省エネ型コンピュータを設計

半導体微細化が停止した現在、高性能を必要とするコンピュータには、多くの電力を供給しなければなりません。この状態が続けば、省エネのため、コンピュータの利用を我慢する時代が来ます。しかし、省エネを達成するコンピュータ設計技術はいろいろ存在します。問題は、省エネコンピュータには使い難いという深刻な問題が存在することです。いかに使いやすい省エネ型コンピュータを設計するかが、大きな課題となっています。

高性能シストリックリングアレイアーキテクチャグループ

Googleなどアプリケーション層の企業が自前のアクセラレータを開発する時代が到来しています。しかし、ノイマン型コンピュータと全く異なるシステムは当初は使い難いため普及に時間がかかります。そこで非ノイマン型の中でも比較的移行しやすいシストリックリング型アクセラレータ(IMAX)の研究を進めています。LSIを単純に接続するだけでスケーラブルに性能向上できるエッジコンピューティング基盤のプロトタイプが完成しています。

CMOSストカスティックアクセラレータグループ

従来のアナログコンピュータはオペアンプによる固定関数機能のみ利用可能でした。本グループでは、任意の多入力関数を実現可能なストカスティック計算基盤の実現を目指しています。アナログとのハイブリッド構成により、デジタル回路よりも格段に高速かつ小型の回路構成とすることができます。

ニューロモーフィック計算基盤グループ

神経細胞の構造を模倣したニューロモーフィックLSIの開発が盛んになっています。本グループでは、ホップフィールドネットワーク+クロスポイントシナプス構造、および、セルラニューラルネットワーク+積層シナプス構造の2種類のLSIを研究開発しています。3D積層による超大規模化が目標です。

超小型低電力ブロックチェインアクセラレータグループ

IoT向けブロックチェインアクセラレータについて研究しています。最適なパラメータ、新しい演算アルゴリズム、回路アーキテクチャを探索し、超小型コンピュータと組み合わせて低電力高信頼IoTデバイスの実現に貢献します。

 

研究室学生の就職先(過去実績)

富士通・ヤマハ・ソニー LSIデザイン・日立製作所・キヤノン・リコー・シャープ・本田技研工業・旭化成・日本電信電話・アクセンチュア・東芝・日産自動車・三菱東京UFJ銀行・フューチャーアーキテクト

大学教授一覧

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