研究室紹介

ナノテクノロジーの向上と次世代エネルギー社会の構築に貢献する

2022/01/07

根岸 雄一(ねぎし ゆういち)
東京理科大学 理学部第一部応用化学科教授
理学研究科化学専攻 専攻幹事

【経歴】

1996年3月 慶應義塾大学理工学部化学科卒業
2000年7月 慶應義塾大学大学院理工学研究科博士課程中退
2000年4月 慶應義塾大学理工学部化学科助手
2000年7月 分子科学研究所助手(後に助教)
2008年4月 東京理科大学理学部応用化学科講師
2013年4月 同准教授、2017年4月同教授
現在に至る。
その間、2013年8月〜2015年7月 文部科学省学術振興局 学術調査官
20183月〜20199 東京理科大学大学院総合研究科 研究科長

研究内容

期待される将来社会

 エネルギー・環境問題が深刻化する中、クリーンで再生可能な水素をエネルギー源とした社会へと移行することが強く期待されています。そのような水素社会を実現するために、太陽光と水から水素を製造する水分解光触媒と、水素と空気から電気を生み出す燃料電池を今よりもさらに高機能化させることが切望されています。それらの高機能化には、活性部位となる金属原子凝集体(担持金属ナノクラスター)の微細化と合金化が非常に有効な手段ですが、微細な金属ナノクラスターの電子構造はその構成原子数と化学組成に依存して大きく変化します。したがって、高機能な材料を創製するためには、担持金属ナノクラスターを原子精度で制御する必要がありますが、これまでの技術ではそのような制御は困難でした。

試行錯誤を重ねて成功

 根岸研究室では、配位子によって保護された金属ナノクラスターを原子精度で精密に合成する技術を複数確立しています。また、そうして得られた精密な金属ナノクラスターを用いることで、担体上の金属ナノクラスターについても原子精度で制御する技術を確立しています。得られた材料を用いることで、各材料における担持金属ナノクラスターの構成原子数/化学組成と材料機能の相関を原子精度で明らかにするとともに、そうした研究を通して、水分解光触媒と燃料電池を今後さらに高機能化させる上での明確な設計指針を得ることにも成功しています。

根岸研究室で得られる知識と技術

 こうした、「ナノテクノロジー(微細なサイズ領域で物質を精緻に制御する技術)の向上」や、「クリーンで持続可能な社会構築への貢献」に興味ある学生には、是非とも根岸研究室での大学院進学も視野に入れて頂ければと思っています。根岸研究室で得られる知識と技術は、素材・エネルギー、電気・精密業界、食品・飲料メーカー、消費財・化粧品業界、自動車・機械、塗料・印刷業界など、様々な分野で活かせるものと思われます(下記の研究室学生の就職先を参照して下さい)。

 

研究室学生の就職先(過去実績)

AGC・旭化成・ENEOS・出光興産・信越化学工業・三菱マテリアル・三菱ガス化学・日産化学工業・日本製鉄・昭和電工マテリアルズ・DIC・味の素ファインテクノ・住友金属鉱山・住友ゴム工業・日立製作所・オリンパス・東京エレクトロン・昭和電工・サントリーホールディングス・キリンホールディングス・アサヒグループ食品・花王・トヨタ自動車・凸版印刷・関西ペイント・ぺんてる・NTTコムウェア・岩谷産業など

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