研究室紹介

身近な機械を題材に、心地良さでストレスフルな社会を癒します

2022/01/07

菱田 博俊(ひしだ ひろとし)
工学院大学 工学院大学大学院 工学系研究科
人間工学研究室 准教授

【経歴】
東京大学工学部原子力工学科卒業、東京大学大学院工学系研究科原子力工学専攻修了、博士(工学)。
在学中、ドイツ国立カールスルーエ原子力研究所第二材料工学研究室研究生、中学1級及び高校2級数学教員免許取資格取得。
新日本製鐵株式会社(現日本製鉄)技術開発本部主幹研究員を経て、現職工学院大学大学院工学系研究科システムデザイン専攻専攻長代理、人間工学研究室担当教員。企業在職中、東北大学医療工学技術者創成のための再教育システム修了。
組織内表彰の他、工学系、音楽系及び美術系の受賞あり。
破壊力学と計算工学技術を軸足に、数学、図学、統計学、物理学、力学、塑性加工、総合設計、精密設計、人間工学、感性工学、聴覚感性学等に携わり、著書5編あり。
平成23年から平成26年東京都教職員専門性向上研修[工業ⅡA]安全教育及び工学教育講師、鎌倉市及び藤沢市生涯学習指導者。
幅広い異分野との相互理解の裾野を持つ。

研究内容

在学中、世界初となるアンペア台イオン源及びそれを用いる実験装置の製作に

 在学中には、画像処理、熱疲労、熱衝撃破壊、イオン注入による表層改質、材料構成方程式の基礎理論、人工知能の学習に関する本質的原理を研究した。その中で、世界初となるアンペア台イオン源及びそれを用いる実験装置の製作に携わった。研究における主たる手段は実験で、当時電算機の能力が伸び始め、シミュレーションも研究の一手段となりつつあった中、学科の最後の大型実験工場の使用者となった。他方で、電算機も積極的に活用した。博士論文は、「Study on Viscoplastic Consti-tutive Equation and Its Application to Some Engineering Problems」として、学士4年からの研究成果をまとめた。

企業での実績

 企業では、当初は数値解析、後にはAIの研究開発への活用に対して積極的に貢献しながら、商品開発で業績を上げた。最初の6年間は主として鋼管やアルミ形材等の断面設計、構造強度評価を担当した。石油掘削の低コスト化を実現する鋼管設計提案や、下水道等のライフラインの高強度化を実現する鋼管設計提案を行った。次の9年間は、名古屋製鉄所に駐在し、対面の自動車製造各社のニーズに答えながら、製造部門及び営業部門と連携して商品開発、製造技術及び鋼管の利用加工技術開発に携わり、収益に大きく貢献した。特に、ハイドロフォーム加工技術を研究し、様々な自動車重要安全保安部品の加工を実現した。また、ハイドロフォーム加工技術の講師を、塑性加工学会で数年に亘り務めた。最後の2年間は、主として社の全体の鋼管事業の戦略設計に携わった。また、電縫溶接技術の伝承を担当した。

大学では、視覚感性及び図面の誤認に関する基礎研究を

 大学では、非常勤講師時代から、視覚感性及び図面の誤認に関する基礎研究を行ってきた。専任になってからは、他の基本的な研究も社会ニーズや学生の要望に応じて開始した。即ち、破壊力学の対象を人間や社会まで拡大した。また、実験と並行して、数値解析やAIも積極的に用い始めた。現在の主たる研究テーマは、上述の研究以外に次の通り:若者のイヤフォン難聴防止研究(原理の力学的モデリングから難聴にならないイヤフォンの開発まで、様々な観点で実施中)、音楽の癒しへの応用研究、心音による健康度自動診断システムの開発、鋼管の誘導加熱曲げ加工技術開発。

 

研究室学生の就職先(過去実績)

自動車メーカー、印刷会社、IT関連会社、家電メーカー、金属加工メーカー等

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