研究室紹介

次世代太陽電池の基盤技術の確立を目指して

2022/01/07

大平 圭介(おおだいら けいすけ)
北陸先端科学技術大学院大学
先端科学技術研究科 教授
 【経歴】

2004年 東京大学大学院工学研究科物理工学専攻 博士課程修了
2004年 東北大学金属材料研究所 博士研究員
2005年 北陸先端科学技術大学院大学 材料科学研究科 助教
2006年 北陸先端科学技術大学院大学 マテリアルサイエンス研究科 助教
2012年 北陸先端科学技術大学院大学 グリーンデバイス研究センター 准教授
2016年 北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科マテリアルサイエンス系 准教授
2018年 北陸先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科マテリアルサイエンス系 教授
現在に至る。
その間、2009年~2013年  独立行政法人科学技術振興機構 さきがけ研究 兼任研究者

研究内容

当研究室では、シリコンをベースとした次世代太陽電池の研究開発を行っています。2000年以降、日本でも太陽光発電システムの導入が急速に進み、太陽光エネルギーを利用した発電事業が盛んに行われるようになりました。私たちは、その太陽電池モジュール(ソーラーパネル)の根幹をなす太陽電池の製法、性能向上に関する研究を行っています。今、世の中で使われている太陽電池の多くは、シリコンを主原料としています。シリコンは、地球上で酸素の次に多く存在する枯渇の心配のない元素ですが、どのような製法で太陽電池に応用するかによって、製造コストや性能が大きく異なります。そこで、より安価に、性能が高く、耐久性に優れた次世代太陽電池を開発するための有効な方法を探り、実用化につなげていくのが私たちの研究です。

主な研究テーマとしては以下の3つです。

1.フラッシュランプアニールによる太陽電池用多結晶Si薄膜形成

触媒化学気相堆積(Cat-CVD)法でガラス基板上に形成したa-Siに対し、ミリ秒の熱処理であるフラッシュランプアニールを施すことにより、太陽電池用高品質多結晶シリコン薄膜を形成し、それを用いた太陽電池の作製の検討を行っています。

2.触媒化学気相堆積 (Cat-CVD) の太陽電池製造技術への応用

触媒化学気相堆積(Cat-CVD)法は、加熱触媒体線上で原料ガス分子を接触分解反応により分解し、製膜を行う薄膜堆積法です。プラズマ損傷の無い製膜が可能であり、良好な薄膜/結晶Si界面の形成が期待できます。当研究室では、Cat-CVD法を用いた結晶Si表面のパッシベーション技術の開発に取り組んでいます。また、Cat-CVD装置を用いた新規ドーピング技術の開発にも挑戦しています。

3.結晶Si太陽電池モジュールの電圧誘起劣化

大規模太陽光発電所において、モジュールのフレーム-セル間の高電位差に起因して特性が劣化する
電圧誘起劣化(potential-induced degradation: PID)が問題となっています。当研究室では、特に、高効率で今後普及が予想されるn型結晶Si太陽電池モジュールについて、PIDのメカニズム解明と抑止技術の開発を行っています。

研究室学生の就職先(過去実績)

三菱電機/名古屋大学 /Helmholtz-Zentrum Berlin/新電元工業/東麗先端材料研究開発/オムロンスイッチアンドデバイス/日立産業制御ソリューションズ/カナディアン・ソーラー・ジャパン/JR西日本/ニフコ/アルプス技研/東レエンジニアリング/東京電力/マイクロン/東京エレクトロン/TDK/シャープ

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