研究室紹介

スパコンを使った雲の精密シミュレーション

2022/01/07

島 伸一郎(しま しんいちろう)
兵庫県立大学大学院
情報科学研究科 准教授
【経歴】
2005年3月、京都大学大学院理学研究科物理学・宇宙物理学専攻博士後期課程修了、博士(理学)。
海洋研究開発機構地球シミュレータセンター研究員、2011年より兵庫県立大学大学院シミュレーション学研究科准教授を経て、現職。
理化学研究所計算科学研究センター客員研究員。

研究内容

複雑系とシミュレーション

シミュレーションにより未来を予測するのに確固たる方法論がある訳ではありません. 特に, 要素還元的な手法の適用が困難な, 人間社会や生命現象といった複雑な系の未来予測はいまだ難しいです. 複雑系の未来予測に向け, モデリング方法, 計算手法, 観測データの扱いなど, 総合的な視点から研究を進めています.

超水滴法による雲の精密シミュレーション

特に最近力を入れているのが気象シミュレーションの研究です. 現在の天気予報や気候変動の予測には大きな不確実性が伴いますが, シミュレーションモデル自体の信頼性が低いことがその1つの要因になっています. 私達は「超水滴法 (Super-Droplet Method)」という独自の方法により, 世界最先端の精密気象シミュレーションモデルの開発を行っています. このモデルを例えば集中豪雨のメカニズムの解明に役立てたいと考えています. また, この技術を火山噴煙やエンジン, 惑星形成などのシミュレーションにも応用しようと考えています.

同期現象・リズム現象

リズムを刻む素子が相互作用することで自発的に同期し, 集団としてマクロなリズムを生み出す現象を同期現象・リズム現象と呼びます. 例えば, メトロノームといった機械的なものから, 心臓の細胞, 体内時計 (概日リズム), 拍手, 蛍の発光, カエルの鳴き声といった生物的なものまで, 様々なものが同期することが知られています.

連結階層シミュレーション

物理法則には階層性があり,  ミクロな領域とマクロな領域が現象の中に共存することがあります.  この特徴を利用し, 注目する現象のマクロの振舞いを効率良く, かつ, 精密に数値計算しようというのが, 連結階層シミュレーションという方法論の発想です.

原理計算(a)と連結階層計算(b)の比較

研究室学生の就職先(過去実績)

民間企業:伊藤忠テクノソリューションズ(株), 関西アーバン銀行, 西菱電機(株), ダイキン工業(株), 高砂熱学工業(株), 東京コンピュータサービス(株), (株)友栄精密, (株)酉島製作所, 任天堂(株), 富士ソフト(株), マイクロンメモリジャパン合同会社, マツダ(株)
教育機関: 神戸海星女子学院 (中高等学校)
進学:京都大学大学院 工学研究科 博士後期課程, 京都大学大学院 理学研究科 博士前期課程, 名古屋大学大学院 環境学研究科 博士前期課程

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