攪乱後の生態系回復の鍵を見つけ復元を図る
2022/01/07

北海道大学大学院
地球環境科学研究院/環境科学院 教授
【経歴】
理学博士
北海道大学理学部生物学科(植物学専攻課程)卒業
北海道大学大学院理学研究科植物学専攻博士後期課程修了
北海道大学大学院地球環境科学研究科教授
北海道大学北極域研究センター陸域研究グループ長
この間、ワシントン大学、ブリティッシュコロンビア大学、西オー
専門分野は、植物群集生態学。特に、火山噴火、森林火災などの自
研究内容
生態系復元と地球温暖化
火山噴火などの大規模な自然撹乱が起ると、裸地化した所は時間が

地球温暖化は超大規模撹乱
地球温暖化は、深刻な環境問題を数多く引き起こしている。例えば、温暖化により大型化した台風は、過去にない大災害をもたらしている。アラスカでは、落雷が火災の主な原因なのだが、これまでの火災では、火災後に種子を散布し森林を再生することができた。ところが、温暖化に伴い降水と落雷のパターンが変化し、大規模かつ大面積火災が発生するようになった。我々は、森林火災後10年間の追跡調査を行い、大規模火災後には、これまでと異なる遷移をすること、ミズゴケの大面積焼失が遷移を変える決め手となることを突き止めた。
生態系回復過程を知り復元の鍵をえる
日本を含む火山国では、生態系による防災減災研究が盛んである。我々も、北海道南西部の有珠山と駒ケ岳において継続調査を行っている。駒ケ岳では、外来種侵入が顕著で、現状では本来の生態系への回復は望めない。有珠山では、噴火直後に回復が早かった地域は、先に定着した種が他種の定着を抑制し、長期で見ると回復は遅い。一方、初期に裸地であった地域は森林化が進んでいる。したがって、裸地をむやみに緑化することは危険である。生態系復元には、空間的にも時間的にも様々なスケールでの視点が必要である。

速やかな生態系復元を目指して
湿原は、農地転換や泥炭の商用利用のために、世界各地で大きく減少している。泥炭は、未分解植物遺骸が主体となる膨大な炭素吸収源であり、大気中二酸化炭素と同程度の炭素が蓄積していると推定する人もいる。さらに、湿原は、環境教育、水質浄化・水害抑制などの生態系サービス機能を提供している。北海道北端のサロベツ湿原の泥炭採掘跡地において、種子トラップ敷設、ミズゴケ移植などにより生態系回復が加速されることを見出した。ここでは、研究室でなされた事例を主に紹介したが、共通して言えることは「生態系回復の鍵」を見つけることである。

研究室学生の就職先(過去実績)
本大学院は、学部を持たない独立大学院であり、様々な大学・学部から院生が集まることに特色があり、研究内容も就職先も様々である。
学校(大学、高校、中学)、研究所(森林総合研究所等)、博物館、公務員(林業職等)、環境影響評価関連会社、緑化会社などが主な就職先だが、書籍店、生花店、貿易会社などにも就職している。ありがたいことに、就職できなかった院生は、これまでいない。
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