モノづくりが好きだから【リンテック株式会社/河崎 仁彦氏】

リンテック株式会社 伊奈テクノロジーセンター 開発部 開発推進課 課長 河崎 仁彦 氏
室蘭工業大学 電気電子工学科 卒業
1.海外で仕事ができる会社を求めて
― 就職活動に当たってはどんな考えを持っていましたか?
河崎氏:
「電気系への進学を選択しましたが、同級生の多くはB to Cの有名企業を志望していました。私はそういう願望はなく、海外で働いてみたいという気持ちもあり、一般消費者層に対する企業としての知名度はあまり重視しませんでした」
― 現在の所属部署はどちらでしょうか?
河崎氏:
「埼玉県に位置する伊奈テクノロジーセンターの開発部 開発推進課です。主に半導体チップの製造プロセスにおいて不可欠な関連装置の開発を担当しています」
― 伊奈テクノロジーセンターとはどのような拠点なのでしょうか?
河崎氏:
「リンテックのほかの工場は粘着紙・粘着フィルムを作るための生産工場なのですが、伊奈テクノロジーセンターはその関連装置の開発・製造を担う国内唯一の拠点です」
― 特に半導体関連の装置開発ならではの苦労というのはあるのでしょうか?
河崎氏:
「リンテックがこの分野に本格参入したのは1980年代後半のことです。参入できたのは、紫外線を当てることで粘着力を低下させることができる画期的な特殊粘着テープに、実際に紫外線を照射する装置を開発することができたことにありました。新規開発のテープを売るためには、テープを貼ったり剥がしたりする装置もつくる必要があります。特に半導体関連分野においては、常に新たなプロセス提案が求められるため、開発スピードが非常に重要になってきます」
2.半導体の高度集積化を支えるリンテックの技術
― 紫外線で硬化する特殊粘着テープを半導体業界に提供しているということでしたが、具体的にどのような用途に利用されているのですか?
河崎氏:
「半導体チップは小型化、高集積化が進んでいるため、現在では50μm以下の厚みにまで裏面を研削する必要があります。その際、ウェハ表側の回路面に粘着テープを貼って回路を保護します。またウェハを小さなチップに切断する時、裏面から粘着テープでリングフレームに固定することで、チップがバラバラにならずに保持できます。そのほか、チップを基板に実装・積層する際にも当社の両面粘着テープが活躍しています」
3.失敗を恐れずにチャレンジできる社風
― エンジニアとして、これまでどのようなやりがいを感じてきましたか?
河崎氏:
「装置設計の実務を担当していた頃は、担当箇所は完全に任され、すべて自分でやりあげることが求められてきました。もちろん1人でという訳ではなく、チーム全体で一つの装置をつくり上げるというシステムの中で開発業務を担ってきました。当社には自由な発想で、自由に新しいものをつくり上げることが許される企業風土があります。失敗を恐れず新しいことに挑戦できるのはとてもやりがいを感じます。上司から『それはやるな』と言われることはまずありません」
― 今までで印象に残ったプロジェクトはありますか?
河崎氏:
「名だたるメーカーと一緒に仕事をするのは楽しかったです。最終製品にはリンテックという企業名は出てきませんが、スマホになくてはならないものをつくり上げるチームにいたことに誇りを持っています。ただ、個人的にはよくも悪くも失敗した時の事の方が印象に残っていますね。新しいことを先んじてやり過ぎて失敗してしまったこともありますが、失敗によって多くのことを学ぶこともできました。またリンテックという会社は、たとえ失敗をしたとしても、またチャンスを与えてくれる会社なので思い切ってチャレンジができます」
4.働きやすい職場環境
― リンテックはどのような社風の会社ですか?
河崎氏:
「私自身は他の会社では働いたことはありませんが、派遣で働きに来ている人も、ほかの会社と比べて働きやすい会社だと言ってくれています。ですからコミュニケーションもよくとれており、横のつながりも強いです。その証拠に入社3年後の離職率が3.4%と、とても低いです」
― 女性の働く環境としてのリンテックはいかがですか?
河崎氏:
「当社の方針として、女性にどんどん活躍してほしいと考えており、社内にダイバーシティ促進委員会もあります。機械系のエンジニアは絶対数が少ない中で、女性社員の人数も決して多くないですが、最近では開発の最前線で活躍する社員も出てきています。また育児休業を取得し、仕事と育児の両立をしながら働く社員も多く、制度の面からも女性の働きやすい環境が整っていると言えるのではないでしょうか」
5.モノづくりが好きな人向けの職場
― 就職活動中の学生にアドバイスはありますか?
河崎氏:
「学生の頃は有名で人気のある企業に目を向けがちです。でも一度、自分が社会に出て何をしたいのか、何をモチベーションにしていくのかを第三者的に見つめ、考えてほしいです。機械・電気系の方なら、モノを作ることが純粋に好きな人が多いのではないでしょうか。本当に自分に合った会社を見出して、活躍できる場を広げていってほしいと思います。」
― どうもありがとうございました。(了)
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