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ケミカルエンジニアリングの王道がここにあります

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2016/11/18

株式会社クラレ 森田 朋宏       2009年入社
鹿島事業所 イソプレン生産・技術・開発部
基礎工学研究科 物質創成

現在の仕事内容

モノマー製造部署で試験係として仕事をしています。製造部署と言えど業務は日々の生産管理にとどまりません。ラボ・実機試験でデータを採取・解析し、プロセスフローを描き、反応器や蒸留塔などの設備の能力計算・基本設計を行い、設備が出来れば自ら運転までこなします。反応工学・単位操作・移動現象論など、培った化学工学の知識・技術をこれほどいかんなく発揮できる仕事はなく、まさに化学工学者の正道と言えます。

仕事で一番印象に残っていること

挙動が複雑な反応器の反応異常トラブルを解決したことが、印象に残っています。過去に前例のない「目的物を生成しなくなる」反応異常が起こり、誰にも原因が解らず根本対策も取れない中、ひたすらに運転データを洗って現象を分析し、解決策を見出しました。化学工学者は装置設計など静的な仕事が多いと考えられがちですが、運転管理まで含めたプラント全体がフィールドとなります。特にプラントは、運転停止が莫大な損失に直結するため、スピード感が求められ、そこにこそ技術者としての真価が問われるのだと考えています。その意味で、先のトラブルを解決できた時、自分はようやく化学工学者たる仕事ができたのだと大きな自信を得ました。

今の会社を選んだ理由

私がクラレに興味を持ったのは、OB訪問で化学工学の先輩の話を聴いたことがきっかけでした。新形式の反応プロセスを提案したり、巨額のコストダウンをもたらす省エネを達成したりと、その先輩が入社一年目から次々に大きな仕事をしたことを聴き、強い刺激を受けました。そして、この会社なら自分の化学工学の力を最大限に発揮して面白い仕事ができそうだと感じたことが、私がクラレを選んだ一番の理由です。

学生の皆様へのアドバイス

私から皆さんに言いたいことは、学んだことの本質を考えて欲しいということです。大学で学んだ化学工学の知識はすべて仕事で使いますが、本質を理解していなくては使い物になりません。ごく簡単な例ですが、PFRとCSTRの設計式を知っていても、その式を導出し性能の違いを説明できないようなら、最適な反応器設計は当然できないでしょう。大学で学ぶ多くのことについて、是非とも本質まで掘り下げて考えて欲しいと思います。

企業からのメッセージ

クラレは、「世のため人のため、他人(ひと)のやれないことをやる」企業文化の下、独自技術による多数の世界No1,Only1製品を展開しています。こういったオリジナルな製品を作り出すには、当然オリジナルな生産技術・生産設備が必要となりますが、これらのコア部分はすべて社内のエンジニアが考案し、外部へ依頼することはありません。そして、化学メーカーには機械系社員が多くないため、1人1人の意見が非常に重みを持ち、設備に反映することができます。

事業内容

樹脂・化学品・高機能繊維の製造・販売

お問い合わせ先

企業名 株式会社クラレ
〒100-8115
住所  東京都千代田区大手町1-1-3 大手センタービル
TEL 03-6701-1171
FAX 03-6701-1197
企業HP http://www.kuraray.co.jp/
本インタビューは、2015年 ジョブテシオ発行ブックレットに掲載されたものです。

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