株式会社三井住友銀行 プロフェッショナルインタビュー

銀行と世の中にインパクトを与える仕事をする【株式会社三井住友銀行/古間木翔太氏】

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株式会社三井住友銀行 企業調査部 古間木 翔太 氏

京都大学大学院 理学研究科 物理学・宇宙物理学 卒業

日本の産業構造が日々変わる中、銀行も常に変革を求められている。そうした中、銀行業務における理系人材の果たす役割も重要度を増してきている。メガバンクとして日本の金融界を牽引する三井住友銀行の最前線で活躍する理系出身者に、今日の銀行業務における理系人材の果たす役割について聞いてみた。

1.宇宙物理学研究から就職へ

― 学生時代の取り組みについて聞かせてください。

pro_smbc_furumagi_01古間木氏:
「大学は京都大学へ通っていました。理学部で物理学を専攻し、そのまま大学院に進んで宇宙物理学を専攻しました。学部生のときは、一般相対性理論がテーマでした。ブラックホールがあって、そこにモノが吸い込まれた際に発生する重力波を観測できた場合、その重力波を分析して現存の物理学の理論がどのように変わりうるか、どのようなプラスαの理論を構築しなければいけないのかというような、理論寄りの話がテーマでした。大学院の研究室では望遠鏡を作っていました。その研究室では完成すればアジア最大級となる望遠鏡の開発に取り組んでいて、望遠鏡を作るのに何年、観測に何年、観測結果をもとに理論を発展させるのに何年という長い研究のタイムスパンの中で、望遠鏡の開発に参加をしていました。」

― かなり尖端の研究をしていたようですが、研究者になることは考えなかったのですか?

古間木氏:
「学部時代は完全に研究者として生きていくものだと思っており、就活は一切考えていませんでした。修士に進んでからもしばらくはそのつもりでいました」

2.つき合いで行った就活イベントを機に就活へ

― どういうきっかけで就職を考えるようになったのですか?

古間木氏:
「大学院にいたとき、友だちから就活イベントに一緒に行かないかという誘いを受けました。正直言うとまったく興味がなかったのですがつき合いで行ってみました。それは色々な会社の合同セミナーだったのですが、たまたま友人が会場を周っているのを待っていた場所が銀行のセミナーを行っているブースの近くでした」

― そこではどういった話を聴いたのですか?

古間木氏:
「それまで銀行というとお堅い業務をするというイメージしか持っていなかったのですが、就活フェアで聞こえてきたのは世界的にみても規模の大きいプロジェクトファイナンスの案件でした。世界中で貢献しているという銀行の話を聞き、民間の会社でも相当面白いことをやっているのだなあ、今まで研究一本で考えて来たけど就職も面白いかも知れないと思うようになり、柔軟に考えて色々な会社をみるようにしようと考えるようになりました」

― その後どういった就職活動をしたのですか?

古間木氏:
「理系でしたので、理系らしくメーカーを回った他、就活を始めるきっかけとなった金融なども幅広に見ました。会社の中には特定の事業を行っているようなところもあれば、金融のように幅広な産業に関わることのできる業務もあることがわかってき、後者により惹かれ就活を進めていき三井住友銀行に入行することになりました」

3.研究職と就職との間の葛藤

― 研究職と就職のどちらを選ぶかという葛藤はありましたか?

古間木氏:
pro_smbc_furumagi_02「正直言うと最初はありました。それが色々なOBや民間で働いている理系出身の人たちの話を聞いていくうちに少しずつ変わっていきました。研究者は、一生一つのテーマに取り組んだとしても、一つ新しいことが発見できるかできないかという仕事です。それに対し、銀行員はかなり幅広に世の中のために役立つ仕事をすることができます。もちろん研究者もやりがいのある仕事だと思いますが、社会に貢献する幅広さや影響度を考えると銀行員の方ができることが多いのではないかと思うようになっていったのです。仮に研究に興味があったとしても、銀行員として研究者をサポートする企業に融資したり、研究室自体へ融資したりして研究分野に貢献することも可能なのではないか、と考え、就活をすることにしました」

― 三井住友銀行入行後はどのような業務をしてきたのですか?

古間木氏:
「まず入社後一か月間は集合研修がありました。この研修ではビジネスマナーなど社会人としての基礎や、基本的な銀行業務、銀行の在り方、お金の動き、どのような銀行取引があるのかということを学びました。その後大阪の法人営業部に配属になりました」

― 配属に理系文系の差はありましたか?

古間木氏:
「ありませんでした。年によって研修の過程は違うのですが、私が入社した2011年は文系理系関わらず、入行直後の集合研修が終わると法人営業部に配属になりました。そこで先ずはお客様への対応や財務分析など、銀行員としての基礎を上司や先輩について回りながら学びます。それと配属1か月後から3か月程支店に研修にでかけました」

4.充実した研修体制

― 支店ではどのようなことをするのですか?

古間木氏:
pro_smbc_furumagi_03「私は大阪の三井住友銀行難波支店で研修を行ったのですが、窓口業務は勿論、ATMへのお金の補充など、銀行員ならではの様々な業務を行いました。最初は指導員の横について見ているのですが、大阪という場所柄か、お客様の中にはこちらが新人だとわかると色々和気あいあいと雑談や世間話を交えて相談してくださる人も大勢いらっしゃいました。とはいえ人が多く大変忙しい支店でしたので、お客様のニーズを汲み取りながらスピード感を持って業務をこなすということの大事さを実感しました」

― 三井住友銀行の法人営業部に戻ってからは何をしたのですか?

古間木氏:
「法人営業部では基本的にOJTで、先輩の横で業務を見るところから始まりました。また現場の仕事と並行して財務分析や銀行業務について学ぶ集合研修が定期的におこなわれ、そこで基礎をかためることになります」

― 法人営業部はどのような業務を行うのですか?

古間木氏:
「法人のお客様の抱えている課題や不安を解決するのが仕事です。社長をはじめ、経営陣や財務部長などと話し合い、お客様の課題に対して三井住友銀行としてできることを模索します。具体的には融資や業務斡旋といった他のお客様の紹介などをイメージされるかと思いますが、経営に関するディスカッションをする中で出てくるあらゆるニーズに、銀行が持つノウハウやネットワークを活用してお応えするということが仕事です。そのため、リアリティーのある経営の現場を学ぶことができました」

5.世の中を調査分析する企業調査部

― 法人営業部の次はどこの配属になったのですか?

古間木氏:
「2年間大阪の法人営業部に勤務した後、3年目から現在の所属部署である企業調査部に配属になりました」

― 企業調査部はどのような仕事をする部署ですか?

古間木氏:
「文字通り色々なことを調査する部署です。主に産業を分析して、良くなる、悪くなる、こういうシナリオがあるので、こういうところに気を付けた方がいいなどと、産業の動向を見据えながら企業がどう変わっていくかなどを分析し、必要に応じてお客様への提案に役立てたりします。いわゆる業界アナリストが所属します。またそれとは別に色々な企業評価のモデルを作ることもあります。たとえば為替などマクロ指標の状況が上下することによって個別業界や企業がどのような影響を受けるかといった観点での分析をします。私は後者の方の仕事を主に行っています」

― 企業調査部での業務は、マクロ経済、金融、財務の高度な知識が要求されそうですが、そうした知識はどのようにキャッチアップしていったのでしょうか?

古間木氏:
「職場では常に色々な最先端の情報に気を配る必要があるため、自然と知識は身に付いていきます。それが一番勉強になり、成長させてくれます。それとは別に部内に沢山のレポートや資料があるので、必要に応じてわからないところは独学で勉強するようにしています。また行内を見回すと経済などにからむ関連部署も当然多く、各分野に強い諸先輩や同期社員がたくさんいるので、勉強会を開くなど勉強できる環境はいくらでもあります」

6.目指すは日本経済の活性化

― 学生時代にイメージしていた銀行業務と現在行っている業務の差にギャップはありますか?

古間木氏:
pro_smbc_furumagi_05「就活当時やりたいと思っていたのは、銀行の仕事の根幹的なことなのですが、様々な産業を活性化させることでした。自社の利益でなく、お客様や社会の利益のために仕事をすることが結局自社の利益にも繋がるということは銀行ならではだという思いがありました。あらゆる情報を集めて、誰よりもよく世の中のことを理解して、どう経済を動かせば色々な産業を活性化できるのか、日本経済を活性化できるのかを考えるような仕事がしたいと思っていました。就活していた当時は、マクロ経済をより直接的にみる市場部門でそうした仕事をしてみたいと思っていたのですが、いざ企業調査部に配属になってみると、学生時代に思い描いていたことと近いことができる部署だということがわかってきました。そういう意味ではギャップはありませんでした」

― 理系人材が活躍できる部署にはどのようなところがあるのですか?

古間木氏:
「今私のいる企業調査部で業界アナリストや私のような業務を行う他、今お話しした市場営業統括部でマクロのエコノミストになったり、銀行の抱えるリスクを評価してリスク管理をする部署で活躍したりすることができると思います。リスク管理の部署では本格的に数学が必要となり、モデルを開発しながら銀行のリスク管理をしたりします。たとえば多くのデリバティブを抱える銀行としてのリスクを包括的に計算し、マクロ経済が動いた時にどう変動するかなどを定量的にモデル化します」

7.三井住友銀行の運営政策を変えるようなアウトプットを

― 古間木さんは日常どのような業務を行っているのですか?

古間木氏:
「行内で研究員のようにデスクワークをするのがメインですが、企業評価モデルを作るために、個別の企業にヒアリングに行くこともあれば、同様の仕事をしている外部機関と意見交換やディスカッションをすることもあります」

― 今後将来的にどのようなキャリアを歩みたいですか?

古間木氏:
「私は三井住友銀行事態に大きなインパクトを与えられるようなアウトプットをしたいと思っています。そのためにはまず様々な情報や知識を吸収し、経済や産業のメカニズムを理解することがファーストステップだと思っています。そしてそれらを活用して、銀行のために役立つアウトプットを考えていきたいと思っています。今は色々な知識を吸収しているステップですので、産業のの他にマーケットについても学びたいと考えています。。その後将来的には銀行の運営政策に大きく貢献できるようなキャリアを描きたいと思っています」

8.英語は勉強しておくべき

― もし学生時代に戻れるとしたらしておきたいことはありますか?

古間木氏:
「もっときちんと英語を勉強しておきたいと思います」

― なぜ英語を勉強しておきたかったと思うのですか?

古間木氏:
「三井住友銀行の業務は日々グローバル化しています。企業調査部には過去より海外の調査員はたくさんおり、そうした現地スタッフとコミュニケーションをとる機会は少なくありませんでしたが、現在は海外の色々な部署からナショナルスタッフが訪れる機会が多くなってきています。彼らとの社内コミュニケーションをとるためにも英語は必須です」

9.意識すべきは「付加価値」

― 学生生活で心掛けておくべきことはありますか?

古間木氏:
pro_smbc_furumagi_04「『付加価値』というものを意識して欲しいと思っています。学生時代にはほとんど聞かない言葉だったのですが、社会人になると『付加価値』という言葉をよく聞きます。そして社会人の立場から見ると、学生であるということ自体一つの大きな付加価値であるといえると思います。学生時代は時間も比較的ありますし、学生ならではの人脈もあります。社会人になると同じ業界、仕事仲間とのコミュニケーションが中心となり、全然関係のないところにいきなり話を聞きに行くということはなかなかできません。OBOG訪問でそれが自由にできるということ自体が大きな付加価値でしょう。そのように知識を吸収するという観点でもそうですが、堅苦しく考えなくとも、世界各地を回って色々な知識、考え方を学ぶことができるという意味でもいい時期です。学生時代にそういうことを身に付けることは、社会人になった後の大きな付加価値となります」

10.自分の中にブレない軸を

pro_smbc_furumagi_06「就活中は内定が欲しいという思いが強いかと思うので、どうしても取り繕った言葉や考えになりがちなのですが、自分の中のきちんとして芯や軸は見つけた方がいいと思います。実際に仕事を始めると中々うまくいかずに苦労することもあります。そうした時にどうすればモチベーションが保てるかということが大切になります。こういう仕事がしたいという会社選びの大義がしっかりとしていれば、苦しいことがあっても、初心を思い返せば続けることができますから」

― どのような人が三井住友銀行に適していると思いますか?

古間木氏:
「世の中をこうしたい、人のためにこうしたい、という強い意思があり、きちんとポリシーを持ってそれを貫き、そのための行動を惜しまない人が向いているのではないかと思います」

― 最後に就活中の学生に何かメッセージはありますか?

古間木氏:
「やりたいと思う仕事は必ず世の中にあります。そしてそれをちゃんと探そうとすれば、そうしたフィールドを用意してくれる会社は必ずあります。それを理解して会社選びをして欲しいと思います。そして一端就職したら、そこでやりたいことを実現できるよう一生懸命努力して頑張ってください」

― ありがとうございました。(了)

 

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